旅行や仕事で台湾に行くとき、必ずお世話になるものと言えば台湾の通貨ですよね。
ガイドブックを見ると「台湾ドル」「ニュー台湾ドル」「台湾元」などさまざまな呼び方をされていますよね。
なんだかややこしい…。
そこで、台湾の通貨について、現地在住3年の筆者が台湾ドルと台湾元の違いからコインの見分け方まで詳しくご紹介したいと思います。
台湾ドル?台湾元?台湾の通貨の呼び方
日本の通貨には「円」という一つの呼び方しかないけど、台湾の通貨には「台湾ドル」「ニュー台湾ドル」「台湾元」などいろいろな呼び方があるから、たくさんの通貨単位があるんじゃないか?と思いますよね。
実は台湾の通貨単位も、日本やアメリカ、その他の国と同じく1つしかありません。
ですが、書き言葉、話し言葉、表記の仕方などさまざまな場面で書き方や呼び方が変化するので、ちょっとややこしくなっているんですね。
書き言葉の「元(ユエン)」

台湾ドルの単位「元」は書き言葉
「元(ユエン)」は少し改まった言い方で、値段を書くときや、会計報告や公式の改まった言い方では「元」を使います。
台湾の通貨単位は、正式には「圓」という字を書きますが、通常は、同じ「ユエン」という発音の「元」という字を使って表記します。
話し言葉「塊(クアイ)」

買い物をする時に使う台湾ドルの単位は「クアイ」(台中市内)
台湾では、普段の話し言葉では「元」という単位を使わず、「塊(クアイ)」を使います。
つまり話し言葉で「1塊(クアイ)」と言えば、「1元(ユエン)」の意味になります。
現地での名称「台幣(タイビー)」「新台幣(シンタイビー)」
「台幣(タイビー)」とは台湾の通貨の名称です。
他の国のお金と比較したりするときには日常会話でも使われることがあります。
たとえば台湾人と日本人の会話ではこんな感じです
「你的包包超可愛。在哪裏買的?(あなたのバッグかわいいね。どこで買ったの?)」
「在日本。台幣1000塊(日本で買ったの。台湾ドルで1000元だったよ)」
また、新聞やネットニュースなどでは「新台幣XXX」というように、「新台幣」を前につけて「元」を省略する使い方をすることもあります。
出典:日本羽球公開賽 戴資穎16強爆冷出局 | 運動 | 重點新聞 | 中央社 CNA
「台湾元」「台湾ドル」「ニュー台湾ドル」は外国人が使う
私たち外国人はよく、「◯◯台湾ドル」という言い方をすることがよくありますが、「台湾元」「台湾ドル」「ニュー台湾ドル」は外国人だけが使う呼び方なんです。
一般の台湾人は使わない名称なので、「台湾ドル」という言い方をしても、(観光地以外では)地元の人には通じないので注意しましょう。
なぜ台湾の通貨名称が”ニュー”台湾ドルなのか?というと、1949年に現在の通貨に切り替わる前の”オールド”台湾ドルと区別する必要があるからです。
太平洋戦争の終戦後しばらく、中国では蒋介石が率いる中国国民党と中国共産党が政権を争って内戦を繰り広げていました。
さて、中国でインフレが発生すると同時に、共産党が優勢になり、蒋介石と国民党は中国から台湾へ逃げます。
こうして、共産党は中国で中華人民共和国を設立し、敗北した国民党は台湾を領土として実効支配するようになりました。
そして、国民党は1949年6月15日に「台湾ドル」の発行を開始しました。
こうして、1949年以前の貨幣を『オールド台湾ドル(旧台幣)』それ以降を『ニュー台湾ドル(台幣)』と呼ぶようになったのです。
ちなみに、通貨の切り替えからずいぶんと時間が経ったこともあり、現在の台湾の日常会話で“新”台幣とわざわざ言うことはほとんどありません。「台幣」という呼び方が一般的です。
通貨コード(TWD)と通貨記号(NT$)

台湾ドルの通貨記号は「¥」ではなく「$」
台湾ドルの外国為替コードはTWDと表記されます。
日本円から台湾ドルへの両替レートを表記するのに、TWD/JPYというような書き方をすることがありますね。
そして、台湾ドルを表す略称として「NT$」という表記が使われています。
台湾の紙幣・硬貨

台湾ドルの紙幣
台湾の紙幣は「100元」「200元」「500元」「1000元」「2000元」の5種類が発行されていますが、実際の普段の生活で使うのは「100元」「500元」「1000元」の3種類の紙幣だけなんです。
「200元」札と「2000元」札の流通はとても少なく、2017年の新聞報道によれば、2000元札の流通率は5%、200元札にいたっては、わずか0.18%なのだそうです。

台湾の200元紙幣
ちなみに、私は3年間台湾に住んでいますが、200元札は一度だけ見たことがありますが、2000元札はいまだ見たことがありません。
日本の2000円札のようなもので、後で発行されたものの実際にはあまり浸透していないようですね。
銀行の窓口で両替するときにお願いすればもらえるそうなので、どうしても、という方はぜひ試してみてください。
台湾の硬貨(コイン)は「1元」「5元」「10元」「50元」の4種類が発行されています。

台湾の硬貨(表・裏)
50元が一番大きく、値段が低くなるほど小さくなるので分かりやすいです。
50元には孫文、10元、5元、1元にはすべて蒋介石が刻印されています。
はい、使えます。
10元の買い物の時に、細かいお金がなければ1000元札で支払っても何の問題もないですよ。
ただ、高額紙幣には偽札が多いので、1000元札を出すと店員さんは透かしてみたり、手触りを確かめたりします。
これは習慣なので、気を悪くしないでくださいね。悪気はありません。
私も、2回偽札を見たことがあります。
1000元札の偽札が特に多いそうなので、個人の両替店などで両替する時は特に注意してください。
台湾ドルの為替レート(対日本円)
2018年9/10現在、台湾ドルを日本円に換算すると、1台湾ドル(元)=3.5999円になります。
上のグラフは、ここ半年の為替レートですが、3.6円から3.7円の間で推移していることが分かりますね。
台湾で買い物をするときの円換算、変換のコツ
為替レートは毎日変わりますが、ここ半年のレートの動向を見ると、1元あたり3.6円から3.7円になるようです。
両替すれば為替手数料が発生するので、1元=4円と計算すると簡単です。
つまり、100元の買い物をすれば400円、500元なら500×4で2000円になる、この換算式を覚えておくと台湾での買い物も楽チンです。
台湾は、日本と同じようにチップの習慣はありません。
ですから、タクシー、ホテル、レストランなどでチップを渡す必要はないので安心して買い物してくださいね。
たまに、個人旅行者で「チップあげてますよ」なんていう人もいますが、大抵は断られるか、びっくりされるかのどちらかです。
台湾ドルをお得に両替する方法は?
空港に着いたら、まずは両替をしておきたいですよね。
ドリンクを買いたいし、地下鉄やタクシーにも乗らないと!
いつ両替すればいいのか、海外旅行に慣れていないとちょっと緊張します。
台湾ドルへの両替方法についてはこちらの記事でかなり詳しく紹介していますが、この記事でも旅行者と生活者向けのオススメの両替方法を簡単に紹介したいと思います。
台湾旅行者のブログなどをみると
- 空港の両替所
- 銀行での両替
- 台北市内のお茶屋さんでの両替
- 添乗員に頼む
というおもに4つの両替方法があるようです。
短期旅行者におすすめは現地の空港での両替
短期旅行者向けにおすすめなのは「桃園空港の両替所」です。
桃園空港には、14カ所に両替所があります。
「LCCは夜中や早朝に到着するから…」と心配しなくても大丈夫。
空港内の両替所は24時間開いています。
両替手数料も30.0台湾ドル
(約108円)と安いです。
入国審査の手前にも、入国審査を抜けた後にも両替所があるので、入国審査の混雑度合いなどに応じて選べます。
第一ターミナル
※黄色い〇で囲んである場所が両替所です。
第二ターミナル
長期滞在者が生活費を両替するには?銀行はおトクなのか?
長期で台湾に滞在する場合はやはり、銀行での両替がおトクで便利です。
find rateというサイトで、各銀行のレート、手数料の有無が確認できます。
一番右の欄が銀行名、その隣の「現鈔買入」は1円をいくらで買ってくれるかというレートを示しています。
一番左の欄に「免手續費」と書いてある銀行は手数料無料です。
現地のATMでクレジットカードの海外キャッシングを利用すると
いちいち両替に行くよりも、ATMでクレジットカードのキャッシングを利用するのが便利だという人もいます。
台湾のセブンイレブンでもATMのキャッシングができるので、確かに便利ですね。ただ、セブンイレブンのATMは手数料が100元かかるので、少額の引き出しにはおすすめできません。
海外キャッシングを使うメリットは、利用日のレートで換算されるので、銀行や両替所で両替するよりもレートがお得に利用できるということでしょう。
ただし、キャッシングなので金利がかかります。また、手数料などが上乗せされることもあるので、利用額とレートをちゃんと把握して使えるなら便利ですね。
ただ、キャッシング=借金ですから、あまり利用したくないという人もいます。
そこで、私は海外でも使えるデビットカードを利用しています。
デビッドカードの良いところは、台湾のATMで台湾ドルを引き出せる利便性と、クレジットカードと違って安心して使える点です。
デビットカードは即時引き落としされますし、しかも使える額は口座残高の範囲内ですから、使いすぎてしまう心配がありません。
これなら、いちいち大金を引き出して持ち歩く必要がないので安心です。
台湾では大きな犯罪は少ないですが、ひったくりやスリ、空き巣などはそこそこあるので、家にもあまり現金を置かず、持ち歩かず、必要な時に引き出すようにしています。
デビッドカードは、三菱UFJ銀行や、住信SBIネット銀行、楽天銀行、りそな銀行などで発行しています。
ちなみに、海外で使えるのはVISAもしくはJCBのデビットカードです。
J-Debitのデビットカードは海外では使用できません。
デビットカードは審査が不要、もしくは簡単なので誰でも持つことができます。
しかも15歳以上または16歳以上でも持つことができるので、台湾に留学するお子さんに持たせる方が多いようです。
まとめ:台湾の通貨は
台湾の通貨についてあれこれと説明してきましたが、まとめると
- 台湾の通貨単位は書く時は「元(ユエン)」、話す時は「塊(クァイ)」
- 「台湾ドル」を表す中国語は「台幣(タイビー)」
- 紙幣は主に100元、500元、1000元の3種類。200元と2000元はまず使われてない。
- 硬貨(コイン)は1元、5元、10元、50元の4種類
ということになるでしょうか。
台湾旅行に出かける方や、台湾での生活での始める方の参考になれば幸いです!