少し前に、「未成年でも申し込みできて、海外旅行先の現地でも簡単に使えるカードはありますか」という相談を受けました。
それなら、と私がすぐに思いついたのが、私も家族を連れて旅行に行く時などに家族に持たせる「海外専用プリペイドカード(トラベルプリペイド)」です。
海外旅行・海外出張・海外留学に使える海外専用プリペイドカードは、防犯対策がしっかりしているので、紛失や盗難などで不安な方に特におすすめできると思います。
そんな「海外専用プリペイドカード」について、特に海外初心者の方にもおすすめできるカードを厳選してご紹介したいと思います。
こんな人におすすめ!海外旅行・出張に使える海外専用プリペイドカード
旅行会社や外貨両替会社などから発行されている「海外専用プリペイドカード」。
海外旅行・海外出張・海外留学に使える海外専用プリペイドカードは、特に以下のような人におすすめです。
- 未成年で、クレジットカードが作れない
- クレジットカードの審査が面倒
- 海外旅行先での現金の持ち歩きが不安
- クレジットカードを海外で使うと、犯罪が心配
防犯対策に優れた海外プリペイドカードは「お小遣い用」に最適
海外では日本よりもスリなどの軽犯罪が多いため、現地では現金を持ち歩かないようにしている人がほとんどです。
カードなら、例え盗まれたとしても暗証番号が分からなければ中のお金を使うことはできないので安心ですね。
また、海外プリペイドカードは銀行口座と紐付けられていないため、万が一の場合にも、被害額がチャージ金額の範囲でおさまる、という特長があります。
海外プリペイドカードを使い、チャージしておく額をいつも少なくしておけば、それ以上は被害が拡大しないという安心感がありますね。
海外プリペイドカードの多くは年齢制限がない(もしくは年齢制限が低い)ため、大人の海外旅行はもちろんのこと、海外留学、交換留学などに行かれるお子さんに持たせることもできます。
海外専用プリペイドカードはどうやって使う?
海外専用プリペイドカードは、海外旅行先のATMやクレジットカード加盟店で、ほとんどの場合クレジットカードと同じように使えます。

海外の空港のファストフード店で海外プリペイドカードのキャッシュパスポートを利用
クレジットカードが後払いなのに対し、プリペイドカードは事前にチャージしておく形式なので、使いすぎの心配もありません。
帰国時点で残高が残っていれば、未使用残高を清算してから処分することもできます。(残高を日本で利用できるカードもあります)
「Visaトラベルプリペイド」と「MasterCardプリペイド」
海外専用プリペイドカードにはカードブランドによって「Visaトラベルプリペイド」と「MasterCardプリペイド」の2種類に分けられます。
VisaトラベルプリペイドもMasterCardプリペイドも広く普及している国際カードブランドのプリペイドカードなので、世界中どこでも使えます。
強いて言えばヨーロッパではVisaが強く、アメリカ方面ではMasterCardが強い傾向がありますが、普通に買い物している限りほとんど違いを感じることはないと思います。
また、海外のATMは両方のブランドに対応しているものがほとんどなので、カードブランドにこだわる必要は全くないでしょう。
「LINE Payカード」などのプリペイドカードは海外でも使える?
最近、日本でも普及し始めているのが、「LINE Payカード」などの国際ブランドつきプリペイドカードです。
最近ではLINE Payの他にも「dカード プリペイド」や「au WALLET プリペイド」など、たくさんの種類の国際ブランドつきプリペイドカードがありますね。
これまでの日本のプリペイドカードと言えば、Quoカードなどのように使えるお店が限られているものばかりでした。
でもこの国際ブランドつきプリペイドカードは、カードにJCBやVisaなどのマークがついていて、クレジットカードが使えるお店ならほとんどのお店で使えると言われています。
これらの国際ブランドプリペイドカードも海外で利用することができます。
ただ、「キャッシュパスポート」などの海外専用プリペイドカードは海外のATMでキャッシュカードとして使えるのが、通常の国際ブランドプリペイドカードとは違うところです。
どういうことかと言うと、海外プリペイドカードは、(チャージした金額の中から)海外のATMで現地の通貨を引き出すことができるので、日本から海外に行く時に日本円の現金を持っていく必要がありません。
せっかく安全対策のためにプリペイドカードを持っていくのですから、現金を別に用意する必要のない海外専用プリペイドカードの方がより安全、ということですね。
用途別おすすめ海外旅行用プリペイドカード
まずは、私が特におすすめする2種類のカードを紹介しておきましょう。
コスパNo.1の海外プリカ:米ドル・豪ドル・英ポンド・ユーロ・香港ドルの両替手数料が無料!「Manepa Card」
FX(外国為替証拠金取引)会社のマネーパートナーズが発行している「マネパカード」は、あらかじめ専用ページから対象通貨に両替しておく操作が必要ですが、大幅に両替手数料を節約することができます。
米ドル、豪ドル、英ポンド、ユーロ、香港ドルの5通貨なら、手数料が海外プリペイドカードでは最安なので、両替手数料を節約したい方にオススメです。
また、マネーパートナーズFX口座と組み合わせれば銀行休業日や営業時間外の緊急入金もできるのもメリットですね。
海外プリペイドカードの便利・安全が欲しいけれど、コストも無視できない、そんな海外トラベルの達人にオススメの1枚です。
Manepa Card | |
---|---|
年齢制限 | 16歳以上 |
発行までの日数 | 1週間~10日 |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カードブランド | マスターカード |
ICカード | IC対応 |
カード内通貨 | 6通貨(日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、香港ドル) |
入金(チャージ)方法 | 銀行振込のみ |
家族からの入金 | 不可 |
入金手数料 | 無料 |
カード内両替手数料 | USD:0.8円, EUR:1円, GBP:1.3円, HKD:0.1円, AUD:0.7円 (マネーパートナーズFXレートを基準として、各1通貨あたり) |
海外ATM利用手数料 | 1回につき2ドル / 1.75ユーロ / 1.5ポンド / 2.5豪ドル / 20香港ドル |
海外利用手数料 | 米ドルから他通貨:3% |
日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、香港ドル:無料 | |
清算手数料 | 500円 |
スペアカード | なし |
日本国内利用 | 可(日本円口座から引き落とし) |
マネパカードについてもっと詳しく

【安心重視なら】スペアカードで紛失時も安心!トラベレックスの「キャッシュパスポート」
「キャッシュパスポート」は、外貨両替会社のトラベレックスが発行する海外専用プリペイドカードです。
トラベレックスと言えば、世界的にも有名な老舗の外貨両替会社なので、安心感も大きいです。
両替会社の発行するカードなので、対応通貨も海外プリペイドカードでは最も多い9通貨となっています。
さらに、キャッシュパスポートはスペアカードが1枚無料で発行できます。
万が一カードを紛失した場合、紛失カードの利用停止はもちろん必要ですが、ほとんどの場合はお金も一緒になくしていることが多いもの。
そんな時、別にしまってあったスペアカードをすぐに利用開始して、最寄りのATMで現地通貨を引き出すことができます。
さらに、緊急時に最寄りのMasterCard加盟店でカード残高を現地通貨の現金で受け取ることができる「現金手配サービス」もあります。
各種手数料が他のカードよりもやや高めですが、安全対策が充実しているので、安全重視の方にはオススメの1枚です。
海外で現地のATMや店頭での利用200円ごとにTポイントが1ポイント貯まるので、普段からTポイントを貯めている人には見逃せませんね。
キャッシュパスポートを実際に使ってみました

キャッシュパスポート | |
---|---|
年齢制限 | なし |
発行までの日数 | 約1週間 |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料(12ヶ月以上利用ない場合に月額150円) |
カードブランド | マスターカード |
ICカード | IC対応 |
防犯対策 | スペアカードなど |
カード内通貨 | 9通貨(日本円、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、シンガポールドル、香港ドル) |
入金(チャージ)方法 | 銀行振込のみ |
家族からの入金 | 可(要事前登録) |
入金手数料 | 1% |
両替手数料 | 4% |
海外利用手数料 | 4%(日本円口座から利用した場合) |
海外ATM利用手数料 | 200円/回 |
清算手数料 | 500円 |
日本国内利用 | 不可 |
海外専用プリペイドカードの手数料を比較
ただし、様々なメリットがある分、海外専用プリペイドカードは手数料がクレジットカードよりいくらか高めに設定されていますが、数%程度なので安全のコストとして考えることもできますね。
海外専用プリペイドカードの手数料には、発行(入会)手数料、チャージ(入金)手数料、海外(ショッピング・ATM)利用手数料、口座維持手数料(年会費)、清算(払い戻し)手数料などがあります。
発行手数料・入会手数料
2017年2月現在、発行手数料や入会手数料がかかる海外専用プリペイドカードはありません。
チャージ手数料・入金手数料
プリペイドカードには、チャージ(入金)手数料が設定されているものがあります。
特に海外にプリペイドカードを持っていく場合、安全のためこまめに少ない額をチャージ(入金)する方法が有効なので、チャージ手数料が安価なものを選ぶのがおすすめです。
入金(チャージ)手数料 | |
---|---|
キャッシュパスポート | 1% |
無料 | |
マネパカード![]() |
無料 |
海外プリペイドカード GAICA | 日本円:無料、外貨:3.5% |
NEOMONEY![]() |
無料 |
Yubisashi Club Card![]() |
無料 |
海外利用手数料・海外ATM手数料
海外専用プリペイドカードを、海外のショッピングやATMで利用する場合、海外利用手数料(ショッピングの場合)や、海外ATM利用手数料(ATM利用の場合)がかかります。
海外利用手数料 | 海外ATM利用手数料 | |
---|---|---|
キャッシュパスポート | 4% | 200円 |
5% | 200円 | |
マネパカード![]() |
3% | 2USD/ 1.75EUR/ 1.5GBP/ 2.5AUD/ 20HKD円 |
海外プリペイドカード GAICA | 日本円:4%、外貨:無料 | GAICA:200円、Flex:無料 |
NEOMONEY![]() |
4% | 200円 |
Yubisashi Club Card![]() |
4% | 200円 |
口座維持手数料・年会費
海外専用プリペイドカードに口座維持手数料や年会費はかかりません。
ただし、キャッシュパスポートのみ、12ヶ月間利用がない場合に口座維持費用として月額150円が徴収されます。
清算手数料・払い戻し手数料
海外専用プリペイドカードの残高を払い戻す場合には、清算手数料や払い戻し手数料がかかる場合があるので、できるだけ海外で使い切ってしまうのがいいですね。
清算(払い戻し)手数料 | |
---|---|
キャッシュパスポート | 500円 |
500円 | |
マネパカード![]() |
500円 |
海外プリペイドカード GAICA | GAICA:500円、FLex:無料 |
NEOMONEY![]() |
500円 |
Yubisashi Club Card![]() |
500円 |
国際キャッシュカードも便利ですよ
手数料を重視する場合、15歳から発行できて審査不要の「国際キャッシュカード(Visaデビットカード)」もあわせて検討するのもおすすめです。

海外プリペイドカードの両替レート
海外プリペイドカードには、「事前両替タイプ」と「都度両替タイプ」の2種類があります。
事前両替タイプ | 都度両替タイプ |
---|---|
キャッシュパスポート | |
海外プリペイドカード GAICA ※ | |
マネパカード![]() |
|
NEOMONEY![]() |
|
Yubisashi Club Card![]() |
※GAICAは都度両替タイプ、GAICA Flexは事前両替タイプ
事前両替タイプは、カード内で通貨両替をあらかじめしておく必要があり、両替レートはその時に決定します。都度両替タイプは、海外でショッピングやATMを利用した時に両替レートが決定します。
この記事では事前両替タイプの上乗せレートを「両替手数料」、都度両替タイプの上乗せレートを「海外利用手数料」として記載しています。
海外プリペイドカードの使い方(準備編)
海外専用プリペイドカードの使い方は、入金⇒利用のたったの2ステップ。とても簡単です。
海外プリペイドカードにチャージ(入金)する
海外プリペイドカードにチャージ(入金)するには、カード会社から指定された銀行口座に振り込めばOKです。
ただし、一つだけ注意しておきたい点があります。
土日祝日などの銀行休業日や、銀行の営業時間外に入金すると、翌営業日までチャージ額はカード残高に反映されません。
それで、カードの残高にはある程度の余裕を持っておいた方がいいですね。
また、チャージの際に振込手数料がかかるので、振込手数料が無料になる銀行を活用するのもオススメです。
海外プリペイドカードを現地で使う方法
指定口座に振り込んだ金額が、カード残高にチャージされたことを確認したら、いよいよ現地でプリペイドカードが使えるようになります。
現地で海外プリペイドカードを使う
海外プリペイドカードを現地で使う方法には2種類あります。
ショッピング
海外プリペイドカードは、クレジットカードのように現地のお店での支払いに使うことができます。

ヨーロッパでは一般的なICクレジットカード端末で海外プリペイドカードのキャッシュパスポートを利用
使い方は、支払いの時にカードを差し出して、暗証番号を入力するか、またはサインをするだけ。
「プリペイドカードである」ことをわざわざ現地の店員さんに知らせる必要はありません。
利用金額は、すぐにカード残高から引き落とされます。
現地のATMで現地通貨に両替
現地の現金が必要な場合も、海外プリペイドカードを使えばとても簡単に両替ができます。
「VISA」か「MasterCard」のロゴがあるATMでは、日本のATMとほとんど変わらない操作で現地の通貨を引き出すことができます。

ポルトガルの空港ATM
引き出した金額に相当する日本円(マルチカレンシー機能を使っている場合は該当通貨)が引き落とされます。
[上級者向け]カード内で別の通貨に両替する
海外プリペイドカードの中には、「マルチカレンシー」機能として、カードの中に複数の通貨の口座が設定されているものがあります。
カード会社によれば、この機能を使ってレートが良い時にあらかじめ両替しておけば、現地通貨にお得に両替できるということになっています。
ただ、為替レートというものは予測が非常に難しいので、この機能はムリに使う必要はないでしょう。
その他の海外プリペイドカード
チャージ手数料が無料!JTBの「MoneyT Global」
(株)アプラスが発行している「MoneyT Global」MoneyT Globalを持っていれば、世界40都市にある「JTB海外トラベルデスク」で旅行中のサポートや緊急時の対応が無料で受けられます。
また、他の海外プリペイドカードはチャージ(入金)に手数料がかかる場合がありますが、MoneyT Globalではチャージ手数料が無料です。
海外留学へ行くお子さんの仕送り用など、こまめにチャージする方にはメリットが大きい1枚です。
MoneyT Global | |
---|---|
年齢制限 | 13歳以上 |
発行までの日数 | 2週間~ |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カードブランド | Visa |
ICカード | IC対応 |
カード内通貨 | 日本円 |
入金(チャージ)方法 | 銀行振込のみ |
家族からの入金 | 可(要事前登録) |
入金手数料 | 無料 |
海外利用手数料 | 5% |
海外ATM利用手数料 | 200円 |
清算手数料 | 500円 |
スペアカード | なし |
日本国内利用 | 不可 |
世界中で使えるキャッシュカード「MoneyT Global」
「旅の指差し会話帳」が無料ダウンロードできる「Yubisashi Club Card」
「旅の指差し会話帳」の「Yubisashi Club Card」は、YUBISASHIアプリのコンテンツが無料でダウンロードできるのが特長です。
何カ国かを周遊しようと思っている方、世界一周旅行に出ようと思っている方には、とても心強い特典ですね。
YUBISASHI CLUBカード | |
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年齢制限 | 13歳以上 |
発行までの日数 | 数週間(セゾンカウンターかWEB資料請求の後に郵送申し込み) |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カードブランド | VISA |
ICカード | IC非対応 |
カード内通貨 | 日本円 |
入金(チャージ)方法 | 銀行振込、ネットバンク、セブン銀行ATM入金 |
入金手数料 | 無料 |
海外利用手数料 | 4% |
海外ATM利用手数料 | 200円/回 |
清算手数料 | 500円 |
日本国内利用 | 不可 |
海外旅行に便利なプリペイドカード【Yubisashi Club Card】
チャージが簡単!ネットバンクやATMでチャージできる「NEO MONEY」
クレディセゾンの発行する「NEO MONEY」は、チャージ方法にネットバンクやセブン銀行ATMからの直接入金が選べるのが特長です。
自分用に使うプリペイドカードを探しているなら、NEO MONEYで振込手数料を節約できますね。
NEO MONEYカード | |
---|---|
年齢制限 | 13歳以上 |
発行までの日数 | 数週間(セゾンカウンターかWEB資料請求の後に郵送申し込み) |
発行手数料 | 無料 |
年会費 | 無料 |
カードブランド | VISAまたは銀聯 |
ICカード | IC非対応 |
カード内通貨 | 日本円 |
入金(チャージ)方法 | 銀行振込、ネットバンク、セブン銀行ATM入金 |
入金手数料 | 無料 |
海外利用手数料 | 4% |
海外ATM利用手数料 | 200円/回 |
清算手数料 | 500円 |
日本国内利用 | 不可(海外専用カードの場合) |